Tato Architects / Yo Shimada

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杉本博司 坂本一成

杉本博司  歴史の歴史展に。
写真作品は素晴らしく良いのだが、一部の骨董趣味をこじらせたような作品は作者のスノビズムが透けて見えて楽しめず。単に化石などの事物を展示してあるものはまだ楽しめたのだが、組み合わせの妙を楽しむような作品(たとえば「医学用ベッドと古墳時代の石-題名は男根の遺言」とかさ)は悦に入っている作者が透けて見えて何となく萎える。2年前に同じ作品をNYで見たときには素晴らしく思えたので、この間に僕が薄汚れてしまったってことですかね。先生。
その後アーキフォーラムで坂本一成氏のレクチャー
気になるキーワードは沢山提出されていたのだが、特に僕が興味を惹かれたのは「アンチクライマックス」というキーワードだった。氏の作品が近年どんどんと低く構えるようになってきたのは何故かと質問したところ(初期の住宅ではまだ高さがあった)高さのある空間はクライマックスを呼び込みやすいので、高さを利用しない空間作りをしているのだという答えだった(ように思う。)ここで唐突に思い出したのが早川義夫の「かっこいいことはなんてかっこ悪いんだろう」というアルバムで、1969年に出されている。水無瀬の町屋が1970年なので、ある種の時代精神の現れなのかもしれない。

2009. 6. 1雑感

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