Tato Architects / Yo Shimada

Menu >

Blog

MY ARCHITECT

先週の金曜日はルイス・カーンの32回目の命日だったそうだ。
カーンといえば今公開中のMy Architect
カーンの隠し子、ナサニエルがカーンの建物を巡り、幼くして亡くした父の面影を探すドキュメント映画。
僕にとっては「ソーク」が「アーメダバード」が大画面で、動画で観れるだけで十分満足。
冒頭は字幕が邪魔だとすら思いました。特にフィッシャー邸の窓辺は素晴らしい!。
ビバ窓辺!
意外だったのはカーンの人生においても「ユダヤ人であること」が大きな意味を持っていたこと。最近はよくユダヤ人という主題にぶつかるな。ニューヨークでもジューイッシュタウン等、ユダヤ文化がとても興味深かった。
ただ、イスラエルに作ろうとした教会は完成せず、イスラム国家であるバングラディシュに議事堂を建設したのが遺作になったのは皮肉かもしれない。
見せ場は建築だけでなく、カーンを巡る様々な人間の複雑な思いに触れ、ふと涙ぐみそうになる。
最後にケビン・ベーコンの父エドマンド・ベーコン(元フィラデルフィア都市開発委員長。カーンと対立)のインタビューが息子の演技をはるかに超える狂人振りを発揮していて素晴らしかったことを言い添えてきます。

2006. 3. 22雑感

音の海

このあいだの日曜日は友人が知的障害を持った子供達と音楽を創る、ワークショップを何週間もしていて、その発表があるというので見に行ってきました。
根がひねくれているもので、こういった絶対的に正しそうなものってあんまり興味をそそられないのですが、友人のおさそいの文章が素敵だったので出掛けることに。
ワークショップのリーダー的存在大友良英さんと子供たちの取り合わせにも興味がありました。
ひょっとしてノイズ地獄?
いやいや。
結論から言うと、とても幸福感に満ちた美しい時間でした。
最初は大友さん達、大人が一曲演奏して子供たちの「演奏したい欲」を十分に刺激してからの全員での演奏。大友さんは「そのうち調子が出てくるから」とおっしゃっておられたのですが、いきなりの全開と集中力で、最後にはドラムを叩いていた永井君が舞台の中央で踊るような指揮を始めて(これが意外にもとても訓練されたヒップホップぽい動きで)爆発的に盛り上がる。もっと散漫なことになるんだろうなと思っていたのだけれど、とても面白かった。
これはちゃんとしたコンサートだ。しかもかなり上質の。こちらもしっかり聴かねばと思って聴いた、2部での大友さん達ミュージシャンと子供たちの語り合いのような音楽の時間は特に忘れがたく、ピアノの音を拾ってくるように弾く女の子とのトリオや、呼吸をするようにトランペットを鳴らし続ける橋本さんとのカルテットなど聴き応えのあるものばかり。
3部の催眠的なハンマービートを太鼓で叩き続ける男の子をベースに色んな音が絡みあう演奏も、ふらふら歩き続けながらなにかを歌い続ける少年も素晴らしかった。
大友さんのバンマスとしての存在の仕方やインプロゼーションの展開力はさすがで、子供たちの自由な音楽を導く手捌きと、見守る姿勢に惚れた。格好よすぎるぜ。
計3時間半もあったのだが、様々な仕掛けに満ちた構成であっという間にラスト。親御さん達も幾度かステージに上がり、少し恥らいながら掃除機を演奏したり!して素敵アイデアに溢れていた。一緒に演奏したい気持ちに。
とても不思議だったのはアンコールの色んな人が飛び入りしてのお決まりの狂乱状態みたいな演奏には、先程までの演奏には確かにあった魔法のようなものが働いていないように感じて、ついさっきまでステージで、観客席で、ホワイエでつくりあげられていた空間が、いかに精妙なバランスで成り立っていたのかがよく分かった。少しナイーブ過ぎる感想かもしれないけれど。
大友さんの日記はこちら。ワークショップについての読み応えのある記述があります。

2006. 3. 13雑感

2/27 Your Light Shadow

滑り込みでOlafur Eliasson “Your Light Shadow”に。
とても単純な仕組みで色々な現象を創り出していて、素晴らしい。最近はこういう知覚の仕組みについての作品が気になります。
置いてあったエリアソンの作品集に最近活躍している若手建築家のアイデアにとてもよく似た作品を見つけてしまい考えさせられる。
よく似たアイデアっていうのは同時多発的無関係に発生するのかどうか。
DIA BEACONのFred Sandbackも「もの派」の狗巻賢二の作品とほとんどまったく一緒だったけれど、どうなんだろう。
上の写真は金沢21世紀美術館のエリアソンの作品を覗き込むアリくん。
余力を駆って表参道ヒルズに。思ったより狭い。もっと巨大なものを想像してしまっていました。高級洋服類、高級おやつ類には興味がもてず。それにしても酷いグラフィック。一角に再現された同潤会アパートは巷の散々な評価にもかかわらず、同潤会アパートのスケールを思い出させることができる点でのみ気に入った。空間の模型みたいではあるのだけれど。
東京駅の前川國男展に出向くも休館だということでがっくりとしつつ帰宅。

2006. 3. 12雑感

塩屋町の住居

色々と出掛けたりもしているのですが、なかなか書く時間が取れません。
昨日は塩屋町の住居の見積用の図面をほぼ徹夜で仕上げて提出。
さあ、予定金額に納まるかどうか。
今日は建築家相談会というのに出向いているのだが
暇だ~。眠いのですが寝るわけにもいかないので日記をまとめて書いて仕事してる風に過ごしております。日記はぼつぼつとアップします。
塩屋の住居は古い住宅の改装で、そういう場合、壁を抜いたりして大きなワンルームに作り変えることがよく行われるのですが
壁を安易に抜くと古い構造体に負担が大きくなることもあり、今回は各室の大きさや壁の量ははほとんど変えずに仕上の差だけで新しい空間を作り出そうとしているのだけれど、上手く行くかな?現場に入ってからまた迷いそうだ.

2006. 3. 12塩屋町の住居

木耳

色んな仕事が実施設計段階に入ったので図面をぐりんぐりん動かしながら描いているもので仕事以外でモニターを見る気がしないものでずいぶん間が空いてしまったものです。目がいたい。
というわけで忙しさにかまけて、事務所から一歩も出ずに過ごしていると(過激に運動不足気味)近所の友人から、「事務所の裏庭にキクラゲが生えてるよ。」
との御一報。そんなバカな。と思いつつも見に行くと。。
ありました。不気味。
便利なインターネットのおかげで、
「キクラゲに似た種類に毒はない感じ。」
「生で食える数少ないキノコです。」
とのおぼろげな情報を得て、早速チャレンジ。
おやつに刺身で美味しく頂きました。
ついでに夕食をキクラゲ尽くしにしてみました。豚肉と蓮根とキクラゲの炒め物。キクラゲの吸い物。キクラゲの刺身など。
コリコリしていて、香りもよくおすすめです。事務所に来られた際はどうぞ。

2006. 3. 4雑感

x Close