出来のいいバリエーション
19の時に大学に仲間達と自力建設した建築。
学園祭のデコレーションの予算を使い、大学の入り口を塞いで学園祭への来訪者はこの施設の中を通らないと学校に入れないようにした。
内部には卵形のスクリーンがあり、様々な映像や音楽で満たされており、スクリーンの下部の階段を抜けるとインフォメーションブースがあるようなつくりだった。これをやったせいで建築の道に足を踏み入れてしまったという因業な作品で、未だにこれを超える「どうだ!」という興奮を得られずにいる。
思えばこの頃は何も知らなかった。
今では自分のつくる物に何らかの遠い影響を感じる時がある。
何も知らない頃にはもう戻れないが、全ての遠い影響をふっとばし、「出来のいいバリエーション」に過ぎなくなる日が来れば。と願い続けて日々頭を悩ませているのだが。