
竣工から丁度1年になる豊富町の住居は雑誌掲載の為、撮影。
生憎の荒天だったが、なんとか写真は撮れた模様。
どんな記事になるのか楽しみです。
プライベートなことで少しバタバタしており更新が滞っているので近況報告。
盆は1日だけ休みをもらい、出雲大社本殿の遷宮に伴う特別拝観に行ってきた。
大掛かりな修繕をする為に大國主大神が仮殿にお遷りになられた為、普段は近づくことさえ許されない本殿に上がらせてもらえるとのことで、友人の建築家夫妻の車に乗せてもらい出雲まで。
前回の修繕に伴う一般公開は氏子限定だったそうで、初の一般公開とも言えます。
通常拝観可能な八足門を超えた瞬間に景色は一旦、銀灰色に色褪せた垣によって遮られ、地面は粗い玉石に覆われてモノトーンの世界に変容します。幽界。生者の居て良い世界ではないなと感じました。そこからさらに楼門をくぐり、大屋根の掛けられた階段を上がるあいだ、外界は殆ど見ることが出来ません。そして階段を上がって濡縁から初めて見ることの出来る、八雲山。禁足地であることもあり太古の景色を想わせる美しさで、係の人に注意されるまで立ち尽くしてしまいました。
本殿内部自体にはそれほど感心しなかったのですが、まったく傷んでおらず、あれが250年前に作られた空間だとはにわかには信じがたいものがありました。本殿内部の御神座は社殿入口とは向きを変えてあり、注意深く仕舞い込まれている。注意深く荒ぶらぬよう鎮められているように感じたのは穿ちすぎでしょうか。
本殿は30分ずつグループに分かれての参拝で、僕らの前の組には女優の天海祐希さんがいらしており、八足門前ですれ違ったのですが、同じグループであったら集中できなかっただろうなと思い、胸をなで下ろすような残念なような。。

先日事務所に不思議な虫が止まっているのを発見し、写真に撮りました。滑らかに成型された翅と前方に大きく張り出した変形した脚。尾はつんと上方に跳ね上がっています。
あまりに不思議なので友人に送ってみると、そこから友人の友人の虫博士の友人の東大の蛾博士のところまで辿り着いてしまったらしく、帰ってきた答えがクシヒゲシマメイガ。虫の形も不思議だが、ひとの知識の伝搬のかたちも不思議。
写真フォルダからもう一点。最近見つけた大阪の町屋。最近竣工した隈研吾の朝日放送の新社屋のファサードと同じアイデア。
朝から、あたらしく始まった籠池通の住居の施主と、軽く今後の予定について打ち合わせ。
その後北野町の住居2の現場で打ち合わせたあと、
これもあたらしく始まる比叡平のアトリエ住居の敷地調査に。
敷地は住宅地の外れで、先客の鹿さんとご挨拶。その後施主のアトリエにお邪魔して打ち合わせ。
施主はFRPで作品を作っておられるので、その工房と御自身の住居と両親の住居が希望。
予算も厳しくなかなか難しいかと思いましたが施主と会話しているうちにふわふわアイデアが浮かびなんだか行けそうな気分に。
その後神崎川の沖縄料理屋に移動して、先日行われたラウンド・アバウト・ジャーナルVol.8の公開収録の面々と再会して飲みながら議論。
先日の公開インタビューは藤村龍至 山崎泰寛(TEAM ROUND ABOUT)と計9人の若手デザイナーによるもので、その中で5人を占める建築家が全てユニットで活動をされているのには何か意味があるのかとも思ったが、インタビューでは特に触れられず。あるいはそのことが関西の状況を浮かび上がらせているのかもしれない。
会議の枕である藤村氏による批判的工学主義については、様々な議論のプラットフォームになり得る素材で、良くできていると思うが、「批判的」の部分が様々な濃度を取り得る為、批判者は「工学主義の緩用」と受け取ったり賛同者は「アンチ工学主義的態度」と受け取ったりと、少し混乱を感じる場面もあった。議論の明確な軸をつくりだしたのは最後にスライドショーをした山崎亮氏で、盛り上がりつつあったのだが時間切れといった感じだった。
その山崎氏や香川氏など、どちらかというと藤村さんに批判的な議論を仕掛けていた面々も合流したことでさらに議論は盛り上がり、店が閉まっても熱は収まらず、いい年をした大人が近くのコンビニで酒を仕入れて河川敷で車座になって再び議論。
鉄橋を渡る列車の音に掻き消されつつ、夜風に包まれて、議論はつづく。
素晴らしく濃密な一日。忘れがたい夜だった。
北野町の住居2は先日、関係者を集めての上棟式を行いました。
集まって下さったのは
鉄骨製作を担当した細川鉄工所
鉄骨建て方を担当した山口興業
全体を統括する大澤工務店
設備工事を担当する高山設備工業の面々。
本日のメインは以前内装に関わらせてもらったSALLOWで作ってもらった、建物をかたどったケーキ。
施主夫妻によるケーキ入刀。
担当の白須君。
中は上品なチョコレートシフォンケーキ。
ごちそうさまでした!
P.S.
前回の記事を見て質問をいただいたのですが、鉄骨は普通赤茶色の錆止めが塗られるのですが、露出する柱梁は白く塗られることもあり、グレーの錆止めを塗ってもらっています。現場の生々しい感じが払拭され、観光地でもある周辺へのインパクトも少なくて好ましい感じ。

特殊な仕様の為、手間の掛かっていた工事もやっと一段落、
建物の構造が粗方立ち上がりました。 
地盤が軟弱で杭を打たなければいけなかったのですが、
搬入路の問題などもあり、基礎を省略して杭を直接基礎梁と接合しています。
杭は回転して入っていくタイプですので、建物の解体時には逆回転させて引き
抜き、再利用できます。
なるべく薄い床を作る為、角型鋼管を籠でも作るように
組み合わせて床を構成しています。レースのようで美しく、可能性のある構造。

久しぶりに様子を見に豊富町の住居へ。






自分で設計した建物がこうやって生き生きと活用されているのを見るのは、本当に設計者冥利に尽きる。
うっかり泣いてしまいそうになったのはひみつだ。

いよいよ鉄骨の準備が出来たと言うことで構造設計者の大氏さんと工場検査へ。
木村博昭氏の鉄の教会を製作した鉄工所の仕事だけあって、丁寧で安心できる仕事。
杭の位置が施工上の理由で偏芯しており、それに直接とりつく予定のダイアフラム、変形した平面による変形したダイアフラム、ブレースの為のプレート等が複雑にとりつく柱は一つのオブジェのようだ。組んでみるとシンプルに見えるだろうが、この状態で見ると御苦労様と言いたくなる。
錆止め塗装をしてしまうのがもったいない位だ。
こちらは6.32°と微妙に傾いた柱。
今回の工務店は緑が丘の住居と同じく大澤工務店。
今回のPROJECTは随分と時間が掛かってしまったが、その課程でこうした意欲のある工務店と出会えたことは僥倖だった。
明日からはいよいよ建て方が始まる。
打ち合わせで東京。ついでにザハ・ハディドのCHANEL MOBILE ARTへ。
残念なことに無料の予約券は売り切れで入手できなかった。ヤフオクでは転売屋が無料のチケットを3000円とか4000円とかで売りさばいているのだが、それに手を出すのもためらわれ、駄目元で見に行ってみると運良く20分程で入れた。
実際のところ展示そのものより、入り口で手渡されるイヤフォンからきこえるオノヨーコの声に従って、うろうろとさまよう観客が(そしてそのひとりであることが)面白かった。
さながらオノヨーコの霊に導かれる霊界巡り。
ザハの建築はヴィトラの消防署以来になるのだが、相変わらず自分からは遠すぎてよく判らない。すべすべとした洞窟はとてもよくできているとは思うのだが。
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タト