Tato Architects / Yo Shimada

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鉄の教会~神戸新生バプテスト教会~ 再訪

ある雑誌の企画で神戸の名建築をいくつか写真とともに紹介して欲しいとのことで朝からいくつか廻ってきた。見学可能な物件と言うお題なので住宅は除外。以下にメモ代わりに記載。
まずは木村博昭師の「鉄の教会~神戸新生バプテスト教会~」へ。
コンクリート打ち放しの地下一階の上に9mmの鉄板を折り曲げただけの簡素な小屋が懸かり、ガラスブロックで内外を仕切っただけのシンプルなつくりは厳しい建設コストから導き出されたものであるらしい。
教会堂内に照明すらなく、自然光と蝋燭の明かりのみで照らされる教会堂内は、プロテスタント的な質素さの中に木村師ならではの装飾感覚が見え隠れして色気がある。
木村師の装飾感覚は正面の十字形を成す鉄骨の僅かなふくらみや、タイバーの連なり、手摺のつくり等に現れており、モダニズム初期の建築が持っていた装飾感覚を思い出させる。
竣工当時の黒皮鉄板が持っていた艶は吹き込む風雨によって失われ、うっすらと錆が浮いてきているが、それもまたなかなか。
竣工当時から夏は暑くて大変なのではと思っていたが、自然通風のある半外部的な空間になっているので暑くはない、むしろ大変なのは冬の寒さだとのことだった。
この後、坂茂「紙の教会」 安藤忠雄「風の教会」と続けるのもまた一興かと思ったのだが「紙の教会」は仮設だった為、建て替えられ、「風の教会」は運営会社が倒産した関係で見学できないとのこと。

2009. 3. 25建築探訪

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