Tato Architects / Yo Shimada

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掲載情報

北野町の住居2が、住まいの設計2010年1月号p128~133に掲載されています。かなり独特な発色で、日々過ごしている身としては不思議な印象ですが御高覧下さいませ。
また日経アーキテクチュア2009年11月23日号にp48にも掲載されています。特殊な敷地状況に注目した記事です。残念ながら一般書店には流通していませんが図書館などで御覧下さい。

「ARCHITECTURE AFTER 1995」キックオフミーティング。

建築家の藤村龍至氏と社会学者の鈴木謙介氏による講演と対話を聞いてきた。
内容はtwitterによる実況で追うことが出来、blogにまとめられたりしているので取り急ぎ感想だけ。
とても刺激的で知見に満ちた内容で、最近もやもやと考えていたことが、段々と繋がっていく興奮を味わいつつ聴かせてもらった。藤村氏の議論は繰り返し語られ、目にしてきたが、はじめて腑に落ちる部分もあり、今回は特に教育者、運動家の側面を強く感じさせられた。
鈴木氏の言説はほぼ初めて接したのだが、空間とは、前近代では時間で区切られていた生活区分を領域に固着したもの(例えば祝祭空間はある期間立ち上がるものだったが都市に定着された。)等、興味深い話が色々とあった。最も印象に残ったのは現在のコミュニケーションと合意形成の状態、そしてその限界についてだった。氏の話からは情報ツールの高度化により解法が見つかるのではないかとの示唆が感じられたのだが、これは東浩紀氏等が最近提唱している民主主義2.0等にも繋がる話だと思われる。また、そのことに関連して思い出されたのは最近のtwitterによる知の問題だった。
いま、一部の建築界のみならずさまざまな分野の人たちがtwitterというツールにより議論を深めていて、一部では刺激的な状況が起こっているように思う。はじめてみる前は何となく流行のコミュニケーションツール位で考えていたのだが、2,3行程度のつぶやきによって自分の知見が刺激されるのは新鮮な体験で、小松左京のSF小説の一部のような状況が起こっているともいえる。
その後、対談は建築現場の祝祭性による郊外の復興、googleのアルゴリズム構造による集合知、消費の場としてではなく、つくることによる承認の場としての地方の復権などなど、かなり重要なキーワードがいくつも提出されたように思えた。
AD&Aギャラリーでの展示は1F中央のスペースが空いており、2日間のワークショップにより1995年以降の住宅の模型が230あまり置かれることになるそうで、その熱気を確認しに、また見に行きたい。2Fの展示は同世代の作品と言うこともあり、それらの作品と、自分の活動との距離を測り、どう補助線が引けるかを考えながら見ていた。構造家の満田さんの展示が最も興味をそそられたのだが、生憎OPパーティーの騒音で内容が聞き取れそうになかったので、こちらも後日再確認しに行きたく思った。
一連のRAJの活動からはオルタネイティブなメディアを立ち上げようとする熱気が感じられ、日本の建築界に久しく無かった風を起こそうとしているのではないかと思う。10+1の廃刊など既存メディアの退潮が感じられる中、自分のこれからの発信方法について深く考えさせられた週末だった。

2009. 11. 9雑感

事務所の風景

夏に手伝った店舗の影響で、事務所に置いてある家具も思い切って塗装を剥がしました。


上に掛かったマフィアの肖像画は実は窓からのぞく北野町の住居2の住み手である父です。本棚に置いてあるのは、いとう君に結婚祝いにもらった刺繍糸による絵。殴られている人に見えますが何故?

2009. 10. 26北野町の住居2

ゴーヤ




秋も深まってきたので、トップライトの上に育てていたゴーヤを撤去しました。ひさしぶりの青空。
ゴーヤは大活躍してくれ、今年の夏の主食はゴーヤ。山からの風のおかげもあり、今年はエアコンを一度も使うことなく過ごすことが出来ました。
写真は往事のゴーヤさんの勇姿。


寝室からも鏡を介してゴーヤと青空が。ゴーヤかわいいよゴーヤ。

2009. 10. 24北野町の住居2

中山さんのオープンハウス


中山英之さんにお招きいただき、新作住宅を京都で拝見してきました。
神社の脇に建つのだけれど、牧師館のようにも見える、まったく新しいような懐かしいような、時代を感じさせない住宅。前作よりも名伏し難い謎めいた空間に、あれはいったい何だったのだろうかと考え続けています。
建物に入った瞬間は事前に見ていたスケッチの印象に引っ張られたせいか、中央のボリュームがあと1.3倍ほど大きい方が良いのではないかと思いながら見はじめたのですが、奥行きを消失させる南側のR壁と、北側のガラス壁、扉を開けるたび、階段を上り下りするたびに境界をひょいと飛び越えるような感覚に、空間の大きさがすっかり判らなくなってしまいました。
階段を上下しているうちに境界を飛び越える感覚は、大好きな住宅の一つである中村好文さんの上総の家を思い出させたりするな、などと思いながら過ごしているとあっという間に夕方です。
表裏で微妙に明度を変えた扉の薄いグレーやホーロー製のようにポテッとした表情の家具は流石で、真似できそうにありません。前作では少しキリキリとチューンされ過ぎな感じが若干気になったのですが、そういう部分はなくなって大らかな感じがしました。
ただ、巨大なガラス面はやはり住宅というよりは、商業施設や公共施設のようにも見えてしまうので、作っておられたカーテンが掛かったところを見てみたいと思いつつ、帰路につきました。
あのささやかな場所で、これから家族4人がどう暮らされていくのか、とても興味があります。

2009. 10. 22建築探訪

二子新地の住居 上棟


二子新地の住居は無事上棟。近くの現場だともっと足繁く通うのですが、そういうわけにも行かないのでなるべく濃密な打ち合わせを行う。次回は中間検査だと思うと少し不安だ。
夕方からDialog in the Darkへ。暗闇で見知らぬ人々と2時間程過ごすイベント。顔が見えないと、ある種ネット的なコミュニケーションが生まれるのだなと実感。逆に言うと我々の対面でのコミュニケーションは大部分が視覚情報に支配されているとも言える。暗闇では親密だった空気が、陽光の下では再構築し難かった。
また、完全な暗闇に身を置くと蒼い光が視えてくる。タレルによるとサインが無さすぎて脳がノイズをサインとして拾い出すことによる光とのことだけれど。
夜は施主お手製のお好み焼きをいただいたのだがチェーン店が開けそうな絶品。多加水状態を作るのがこつ(というかそういう小麦粉があるらしい)だそうで、今度取り寄せてチャレンジしてみよう。

2009. 10. 21二子新地の住居

北野町の住居2 掲載情報

北野町の住居2 が住宅建築 11月号に掲載されています。
写真はいつも撮ってもらっている市川かおりさんですが、なんだか写真の色味が不思議な感じです。雑誌のカラーってあるのだなと興味深い体験。

U-40建築家会議/twitter



JIAの全国大会でU-40建築家会議というものに出席。
60人ほどの若手建築家が全国から集まり10人ずつテーブル分かれて討議するのだが、最後まで議論の軸を創り出せず、いまいち熱気に欠ける討議となり先輩方を心配させてしまった。
議論を乗っとるくらいの勢いがあれば良かったのだが、何となく遠慮してしまったし、そもそもなんの為に集まっているのかも良く判っていなかった。猛省。
写真は報告し忘れていた中村拓志さんとのパネルディスカッション。
こちらは吉田豪を心の師匠に中村さんの学生時代の論文まで漁ったこともあり、なんとかなったのではないかと思うが、どうなのだろう。
これからは、もすこしちゃんと発信していかなければと思う今日この頃。blogも更新します。
その為にと思いtwitterも始めました。格好悪くても踊ってみる派。ツールとしては使えるのではないかという印象。

2009. 10. 20雑感

二子新地の住居 配筋検査

あっという間に夏が終わってしまった感があるのだけれど、二子新地の住居は無事着工し、先日は配筋検査の為上京。
いくつか指摘事項はあったが概ね問題なく施工されている。現場監督が忙しそうで少し不安だが、質疑はきっちりと上がってきているので安心感も。最近特に思うのだが、建築現場というのはチームプレイなので現場監督の力次第で良くも悪くも変わる。意識の高い現場は本当にすがすがしい。こちらも士気を損ねないよう、詳細図の完成度を高めなければ。

2009. 9. 30二子新地の住居

OLDBOOKS&GALLERY SHIRASA



以前内装をお手伝いさせていただいたCAFE SALLOWとの協働で、
神戸元町商店街に古くからある老舗のハンドバッグショップ「シラサ」を
古本屋とギャラリーに改装しました。
以前の店内は神戸家具で有名な永田良介商店が手掛けたクラシックな内装で、
その家具を生かす為、最低限の操作で、新鮮さを生み出すよう努めました。

実際に行ったのは重厚なニス塗の家具の塗装をサンドペーパーで剥がして
家具を原初の姿に戻し、その家具だけが浮かび上がるように床にモルタルを流し、
壁を白く塗り込めることだけです。

2階はギャラリーにするとのことでしたので旧来のアルミサッシを壁で塞いで壁面
を確保しつつ、街路からギャラリーの様子を伺えるよう、大きな窓を取り付けました。
以前の店舗から引き継いだ家具の素性の良さを生かしたシンプルな計画です。
OLDBOOKS&GALLERY SHIRASA
1F OLDBOOKS / 2F GALLERY
神戸市中央区元町通2-7-5
tel 078-321-0801 fax 078-321-0802
open 11:00~19:00 closed wednesday

2009. 9. 29雑感

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